　──機械設計技術者３級試験制度をお知りになったきっかけ、また受験された動機について教えてください。

篠﨑：試験２か月くらい前に掲示されていたポスターを見て、受験したいと思っていました。その時、学科の方から３級試験のレベルを知るために３人だけ受験させると言われ、学科の実力試験の結果、その３人枠の中に入ることができたので受験しました。「自分の意志」と「学科の意向」が一致した、ということで受験に踏み切った、と言えるかもしれません。

　──試験の難易度はいかがでしたか？

篠﨑：材料工学、設計製図etc、範囲が広すぎてどこを勉強すればよいか分からなかったので、試験勉強はとても難しく感じました。しかし、実際の試験は高専４年の授業で学習していた範囲が多く出題されており、それほど難しくは感じませんでした（しかし、習ってないところは全く分かりませんでした）。私の場合は、たまたま習っていた所が出題されたので「それほど難しくは感じなかった」のかもしれません。また、日頃の学習の仕方によってこの印象はだいぶ変わるでしょう（日頃の授業の受け方なども重要です）。

　──３級試験受験にあたって実行した勉強方法は？試験勉強に役立った教科書・参考書があればそれも教えてください。

篠﨑：第１回３級試験問題をインターネットからプリントアウトして、それをもとに勉強しました。解答がないので、自分で一通り解き、分からない箇所は専門の先生に聞きました。この方法で第１回の問題は、ある程度解けました。その他の勉強法としては、製図は教科書から大事そうな所（寸法記入、寸法公差、各種記号）を書いて覚えました。また、要素においては、前回「軸受」が出題されていたのでそれを集中的に学習し、残りは「歯車」や「ねじ」「各種伝導法」にヤマを張りました（「歯車」に関してはヤマが当たったので嬉しかったです）。
正直なところ、「材料」や「工作法」は範囲が広すぎて何をしてよいのか分からなかったので、ほとんど手をつけていません。これらの科目については勉強方法が見つかりませんでした。
テキストとしては、学校で使っている専門の教科書が主でしたが、「材料」や「工作法」はその系統の雑誌なども学習手段の一つだと思います。

　──これから３級試験を受験しようと思っている方へのアドバイスがあれば教えてください。

篠﨑：こういった資格試験の難しい所は、１つの科目において範囲が広すぎるということだと思います。学校の定期試験とはかなり異なっているので、普通の勉強でも長期的に、長い目で実行することが重要です。当然、「一夜漬け」では合格はおぼつかないでしょう。広い知識が要求され、内容も専門的考えによるものですから、日頃から何かしら工学に興味を持っておくことが必要だと思います。
受験料が「少し高いかな」とも思いますが、資格は一生有効なのだから「チャレンジする気持ち」と「嫌な勉強を少し我慢する気持ち」があれば、３級は合格できると思います。単純に言うと、勉強すれば合格できると思います。また、当たり前ですが、受けてみなければ合格もありません。

　──受験資格の実務経験年数に達した時、機械設計技術者２級試験、１級試験にチャレンジしてみたいと考えていますか？

篠﨑：実務経験年数がどれくらい必要か分かりませんが、自分に実力がついたかを確認するのにちょうどいい手段だと思います。是非、受験して上の級を目指してより広い知識を手に入れたいと思います。

　──３級機械設計技術者として、これからの抱負があれば教えてください。

篠﨑：現在、高専４年で、来年大学進学や就職があるので、その時の最大の武器として利用したいと思います。資格ほど強い武器はありません。機械技術者としての資格なのだから、今の技術を失うことなく将来、２倍、３倍の技術を身につけたいです。そして、３級技術者から２級、１級技術者へと成長して機械に関しての「オールラウンドプレーヤー」になることが目標です。

　──どうもありがとうございました。