(株)タグトータル 取締役
加藤 敏寿 氏 |
── 機械設計技術者試験制度をお知りになったきっかけ、また受験された動機について教えてください。
加藤:学生時代、大学教授から試験制度について話を聞いたことがありましたが、医師免許のように職に従事するにあたって必須になる資格ではないこと、また就職先の先輩がたに尋ねても「そのような資格は必要ない」との意見が多数で受験することはありませんでした。その後会社設立にあたり、社員募集をしたのですが設計経験者が採用できず、初心者を指導することになりました。その際、実務だけでは知識が偏ってしまい設計者の質が高まらないと感じ、この試験制度を社員に推奨することにしたのです。私自身も普段業務で使わない科目などを再確認する事で、さらに設計の幅を広げることができると思い受験を決めました。
── 受験のための講習会(工業会主催、学校主催、その他)を受講されましたか? 受講された方は、その講義は役に立ちましたか?
加藤:一昨年、3級受験対象の講習を受講してみました。内容は一度学習した部分が多かったため、知識の再確認といった意味では役立ったと思います。しかしこれから学習しようという初心者には、覚えなければならないことが多すぎて、レベルとして少々高くなってしまったかもしれません。
── 日刊工業新聞社で主催している通信教育講座を利用しましたか?
加藤:利用しておりません。以前別の通信講座を利用していたとき、資料の不明点をフォローしてもらえず結局学習を挫折した経験がありましたので。
── 試験の難易度はいかがでしたか?
加藤:過去の試験問題を解いて対策をたてていましたが、近年難しくなっているように思います。
── 試験勉強にあたって実行した勉強方法は?
加藤:過去の問題を解くこと、それに関連する事項をインターネットで調べて学習するというスタイルです。今回、理工出版から刊行された「機械設計技術者のための基礎知識」は、科目全体を網羅していて役に立つと思います。ただ内容が難しい部分もあり、詳しい解説が欲しいと感じる個所もありました。計算問題には、普段の設計業務ではあまり使われないような計算も必要となり、忘れてしまっている知識を思い出したり、計算問題に慣れるため、高校の物理や数学の教科書が役にたったことも申し沿えておきたいと思います。
── これから2級受験を考えている技術者の方に対して何かアドバイスがあれば教えてください。
加藤:受験勉強をして、偏った視点で自分が設計していたことに気づかされました。過去に自分が設計した図面を見直すと、「こういった考慮がなされていない」といった個所を多々見つけることができます。たとえ合格という結果が出なくても、受験勉強をすることが皆さんにとって今後の設計業務の役に立つことになります。がんばってください。また、試験対策はなるべく早く始めたほうが良いでしょう。私の場合、いつも時間が足りなくなり後悔しています。
── 2級機械設計技術者として、これからの抱負があれば教えてください。
加藤:いち技術者としては、より幅広い分野でお役に立てるようになりたいと思いますし、後輩を指導する立場として受験で体験したさまざまな経験を活かし、今後指導していきたいと思います。
── 受験資格の実務経験年数に達した時、1級試験にチャレンジしてみたいと考えていますか?
加藤:チャレンジしたいと思いますが、今のところ小論文が大きな壁になっています。
── どうもありがとうございました。
|
|
|