株式会社 清水設計事務所
専務取締役
林 浩樹 氏 |
── 機械設計技術者試験制度をお知りになったきっかけ、また受験された動機について教えてください。
林:弊社は工業会会員企業ですので、試験制度については設立当初から知っておりました。十数年前に2級に合格し、その後1級に挑戦したのですがその時は合格することができませんでした。私の仕事も、設計実務より管理業務にウエイトがシフトしてゆき自ずと試験からも足が遠のいてしまいました。弊社では、数年前から若手社員の技能アップを重要な目標と定め、機械設計技術者試験や製図技能検定など積極的に受験するよう指導しております。立場上、社員に「試験を受けろ」と言うだけよりも自ら範を示すことが大事ではないか、そんな考えから改めて1級に挑戦した訳です(笑)。
── 受験のための講習会(工業会主催、学校主催など)を受講されましたか?
林:受講しておりません。
── 試験の難易度はいかがでしたか?
林:先ほども述べたように実務から離れてしまい、計算などの勘所を呼び起こすのが大変でした。それに加えて自身の業務分野を越えた範囲からの出題があるので難易度はやはり高く感じました。小論文以外にも自由記述式の設問があり、日頃から文章を書き慣れていないと難しいでしょうね。
── 試験勉強にあたって実行した勉強方法は?
林:計算問題に対応できるように基礎部分の復習を十分に行いました。また工業会ホームページや書籍等で手に入る過去問題にはひと通り目を通し、できるだけ多くの問題を解いてみるというスタイルを取り入れました。基礎部分の復習も読み流すだけでなく、演習問題をできるだけ多く解くようにしました。
・機械力学―考え方解き方 わかりやすい機械教室 <小山十郎著・東京電機大学出版局>
・機械設計工学―機能設計 (機械工学基礎講座) <井澤實著・理工学社>
・クレーン 設計から保守管理まで <(社)日本クレーン協会編・共立出版>
── これから1級受験を考えている技術者の方に対して何かアドバイスがあれば教えてください。
林:この試験は出題範囲が広く、受験対策が大変だというのが受験される皆さんの印象ではないでしょうか。それだけにどうしても「効率よく要点だけを勉強しよう」とお考えになるかと思うのですが、私自身は近道を探すようなことをせず基礎をしっかり押さえてゆく方法で合格することができました。私の周りにいる合格者たちを見ても「要領良く」というタイプよりも地道に勉強した受験生が最後には結果を出しているようです。
── 1級機械設計技術者として、これからの抱負があれば教えてください。
林:今回改めて設計工学、機械力学などを復習する良い機会となりました。その中で再確認した事項、新たに得た知識などを後進の育成に活かしてゆきたいと思います。また今回、新聞での合格発表を目にした客先の方からお祝いの電話を頂戴し、試験制度の認知度が上がっていることに少々驚きました(笑)。逆に認知度が上がってきたことは、機械設計技術試験1級取得者がどのような技量を持ち、またどのような仕事をするのかが注目されることになります。その名に恥じない仕事ができるように、これからも精進を続けたいと思います。
── どうもありがとうございました。
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