平成22年2月18(木)、19(金)、20(土)三日間会期で開催された「第14回おおた工業フェア」を見学しました。展示会名称の「おおた」は東京都「大田区」の「おおた」のこと。
医療器具メーカーテルモとともに「痛くない注射針」を開発した岡野工業の岡野社長。メディアでの露出が多く「町工場の星」として取り上げれることが多くなりましたが、こちらの岡野工業は東京都墨田区所在。アメリカ航空宇宙局から注文が入るほどの高い技術力を持った町工場として墨田・荒川の町工場がクローズアップされているところです。
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シルバーメタリックの近代的な
大田区産業プラザPIO |
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ここ大田区も大手メーカーの高い品質の製品を縁の下から支える町工場が多い地区として有名な町です。その大田区に所在する企業が一同に会し、高い技術力を紹介する展示会がこの「おおた工業フェア」です。
会場の「大田区産業プラザPIO」は京急蒲田駅から徒歩約5分ほどという利便性の高い場所にあります。正月に開催される箱根駅伝の往路1区(復路10区)で第一京浜を疾走する選手が踏み切りを渡る場面が出てきます。この踏み切りと目と鼻の先にある場所でした。テレビで何気なく見ていた場所の実物に出会った感動を覚えながらが会場へ。
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キャッチフレーズ「モノづくりを広げる、おおたの底力」 |
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半月前ほどに見学したテクニカルショウヨコハマより規模としては小さい展示会で、それぞれのブースも凝った装飾といったものはなく、主催者から提供される基本装飾のままの企業がほとんです。しかし、その中で紹介されている商品や製品は、オンリーワンを目指した物が多く、町工場の心意気のようなものが強く伝わってくるブースばかりです。
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出展者と来場者が会談できるスペースが
会場中央に設置されています |
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金属加工技術を活かした新商品開発など、
挑戦的な試作品なども |
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また2階ブースを使って「大田区中小企業 新製品・新技術コンクール」ブースでは技術や工業用製品以外にも、シャンプーやボディーソープの詰め替え用パックをそのまま利用する(詰め替え用ポンプが不要、ということです)注ぎ口など、ユニークな新製品を紹介、展示即売も行なわれ来場者の興味を集めていました。
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実演ブースはやはり人気があるようです |
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以上のように、ひとつの区が主体になって展示会を実施するというスタイル自体が非常に特徴的な「おおた工業フェア」でしたが、今後国際化復活を視野に入れて国際ターミナル建設や新滑走路建設が進む羽田空港を擁していることもあり、各企業が見つめている先は日本国内にとどまらず全世界規模なのかもしれません。
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本年度認定をうけた「優工場」の紹介パネル |
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大田区としてもこういった町工場を盛り立ててゆく趣旨で、「大田区優工場(ゆうこうじょう)」認定制度を導入し「人に優しい、まちに優しい、技術・技能及び経営に優れた」工場の育成を図っています。行政が積極的に中小企業を応援しようという姿勢は、ぜひとも多くの地方自治体でも取り入れてもらいたいもの、そんな感想を持ちました。
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