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工業会
(以下「コ」) |
このたびはインタビュー記事作成にご協力をいただき感謝いたします、まずはお礼を申し上げます。少々長いインタビューになるかもしれませんが、お付き合いのほどお願いします(笑)。
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TAKEさん
(以下「T」) |
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。 |
(コ) |
まずTAKEさんのプロフィールを教えていただけますか。
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(T) |
自動車部品メーカーで約15年、生産技術開発業務に従事しております。具体的には塑性加工に関する開発業務ということになるでしょうか。実際は部品開発にとどまらず、製品設計にまで踏み込んで開発業務も行なっています。資格取得の経歴で申し上げると、2003年3月に技術士第二次試験(機械)に合格して、5月に技術士(機械)登録しました。この翌年に機械設計技術者試験1級を受験し合格しております。
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●まずは「技術士」について・・・ (参考URL 社団法人日本技術士会) |
(コ) |
団体PRのために機械関係の展示会に出展することがあります。その際、機械設計技術者試験に関して「技術士の試験と違うものなの?」といった質問が寄せられることがあります。ここで確認のためにも、技術士について簡単に教えていただけますか。
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(T) |
ご存知の通り「技術士」というのは、技術士法という法律に基づいて実施される国家試験に合格して登録した人だけに与えられる称号です。事実上、国内的には技術系最高峰の試験で、簡単に言うと、国が「この人は科学技術について高い応用能力を持っているよ」と認定する、ということになりますね。付け加えますと、「技術士」は技術士第二次試験に合格・登録した人の称号ですが、それより難易度が易しい「技術士補」というものがあって、こちらは技術士第一次試験に合格・登録した人に与えられます。
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(コ) |
レベルとしては読んで字のごとく「技術士」が「技術士補」より高い。そして試験の呼び名は、第「二」次試験が第「一」次試験より上ということですね。機械設計技術者試験ですと、「2」級より「1」級がレベルが高いので並べてお話しすると、ちょっとややこしくなるかもしれません(笑)。やはり試験も難しいのでしょうね。
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(T) |
ええ。技術士は機械系の国家資格の中では最も難易度が高いと言われています。技術士試験制度は平成13年と19年に改正され、求められる能力も時代とともに変化しています。少々細かくなりますがご紹介してみましょう。技術士第二次試験、こちらは「技術士」の試験ですが(笑)、筆記のなかでの技術的体験論文が廃止され、口頭試験前に論文を提出する形式になりました。この口頭試験は以前より難易度が確実に上がっているところです。筆記試験でみると、五肢択一問題が廃止され課題解決能力を問われる内容に変っています。技術士第二次試験は、社会全体を俯瞰的に見て、機械技術をどのように応用できるか、あるいは受験者自身が経験してきたかを問う内容になっています。 |
●「機械設計技術者試験」と「技術士」との意外な関係・・・ |
(コ) |
技術士第二次試験、つまり「技術士」の試験と機械設計技術者試験1級とを比較して、どのような印象をお持ちですか?
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(T) |
機械設計技術者試験1級の小論文問題と、改正後の技術士第二次試験の論文提出など似ている部分もありますが、対比は正直難しいですね。両方の試験に挑戦した立場、あくまでも主観、とお断りしたうえで、難易度を10点満点で評価してみると、技術士第二次試験が【10】。機械設計技術者試験1級は【8】という印象です。
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(コ) |
!
私自身は機械の専門ではありませんが『難しい』と言われる機械設計技術者試験1級よりも、技術士第二次試験は二段階も上ですか。ちょっとびっくりしました。
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(T) |
(笑)フォローするわけではありませんが、私自身は実用的な機械設計の実践能力評価としては、機械設計技術者試験1級が国内で最も高い難易度だと思っています。
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(コ) |
試験内容に関する部分が先になってしまいましたが、ここで技術士のお立場から機械設計技術者試験についてどのようなご意見をお持ちかお聞かせ願えますか。
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(T) |
近年、機械構造物の事故事例が数多くみられています。当然ながら、このようなエラーは最小限に食い止めなければなりません。同時に、社会のニーズを捉えた競争力のある機械技術開発は、わが国の発展のためにも大変重要な課題です。技術士や機械設計技術者試験は、その土台となる能力を測る物差しとも言えます。
技術士(機械)は、機械技術の総合的な応用能力が問われるのに対して、機械設計技術者試験は、実務的な機械設計能力が問われる試験だと考えています。
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(コ) |
つまり、二つの資格制度は「棲み分け」ができると?
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(T) |
ええ、競合する性格のものではありません。こちらも個人的な見解になりますが、機械分野における高度な技術者・スペシャリストの証明のためには、国家資格である技術士第二次試験(機械)と、機械設計技術者試験1級の両者の保有が必要不可欠だと考えています。
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(コ) |
技術士は国家資格。一方、私たちが実施している機械設計技術者試験は民間資格に位置づけられる資格です。「国家資格じゃないならそんなもの取っても意味ないじゃないか」と言われることがあり、正直悔しい思いをすることがあります。ただ一方で、TAKEさんのように、技術士登録をされた技術士で機械設計技術者試験2級、1級と順に受験、合格された方を個人的に二人存じ上げているのですが、お二人とも機械設計技術者試験制度を、非常に高く評価してくださいました。TAKEさんと同じようなお考えを持っていたのかもしれませんね。
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(T) |
おそらくそうでしょうね。技術士第一次試験(技術士補)と技術士第二次試験(技術士)のレベル差には実際大きな隔たりがあるのですが、機械設計技術者試験はこの二つの橋渡し的な意味があると私自身は捉えているんですよ。
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(コ) |
? それはどういう意味でしょうか。
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(T) |
試験の「格付け」というのは嫌なのですが、敢えて私なりに試験の難易度を並べてみると、こちらの表のようになるかと思います。
資格名称 |
難易度
(10点満点) |
具体的なレベル |
技術士第二次試験 |
10 |
高度な機械技術を保有しており、それを応用また指導できるレベル |
機械設計技術者試験1級 |
8 |
機械設計業務を指導できるレベル |
機械設計技術者試験2級 |
6 |
機械設計業務が任せられるレベル |
技術士第一次試験 |
5 |
大学の機械工学科卒業レベル(機械専門+一般教養) |
機械設計技術者試験3級 |
3 |
大学の機械工学科卒業レベル(機械専門のみ) |
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(コ) |
なるほど・・・ 技術士第一次試験と第二次試験のレベル差が大きい。しかもその間に機械設計技術者1級、2級がうまく入っていますね。
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(T) |
その通りです。試験に限らず何かを成し遂げるときには、適切なステップアップが重要です。一足飛びに高いレベルを目指しても、息切れしてしまうことが多いですよね。仮に資格取得の最終目標が技術士第二次試験合格の方であっても、機械設計技術者試験が無縁ではない、と思う点がここにあるのです。
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●日本機械学会の動向・・・ |
(コ) |
今回、TAKEさんに機械設計技術者試験についてのご意見を聞いてみようとご連絡を差し上げたとき、日本機械学会さんが技術士資格の推奨をされていると教えていただきました。
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(T) |
はい、日本機械学会第85期、齋藤 忍会長と白鳥正樹筆頭副会長連名で会員宛に示された文書で、機械学会全体として、技術士資格取得に対する支援委員会を組織するなどして強力に資格取得を推し進めることを表明しています。これは技術士制度変更に伴い、技術士がコンサルティング資格という位置づけから、優秀な技術者であることを認定する資格に変わりつつあることによるものだと思います。技術士に相当する海外資格(PEやCeng.など)と比較して、日本の技術士の数が極端に少ない実情もあり、機械学会としても積極的に支援していく姿勢のようです。
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(コ) |
文書を拝見しましたが、おっしゃるとおり「技術士試験合格を強力に推し進めるぞ」という意気込みがひしひしと伝わってきます。
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(T) |
技術士は機械学会に所属しているメンバーの中でも認知度、人気ともに高まっています。私たちが実施している技術士セミナー(技術士受験指導)でも、日本機械学会の動向を知って技術士受験を検討し出したというメンバーは多いですね。日本機械設計工業会と日本機械学会で上手に連携が取れると、双方の活動において相乗効果が期待できると思うのですが。
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(コ) |
実は、機械学会さんには何度かアプローチをしたことがあるのですが、残念ながら思うような成果はあがっていません。ただ、機械設計技術者試験と技術士、技術士補の資格がこれほどまでにお互いを補完するような関係にあるとは教えていただくまで分かりませんでした。今後はこういった点も足がかりにしてみることにします。
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(T) |
技術者個人の機械設計の技術力を高め、高性能・安全性の高い製品を作るという究極の目的は、どちらの試験制度でも一致しています。それに、機械設計技術者試験と技術士資格は、それぞれどちらかを排他的に追い込もうとするスタンスではない、つまり競合する資格ではなく、ともに共存して二つを上手に利用してゆくことで技術者個人のスムーズなスキルアップに繋がるのだと思います。せっかく良い資格同士、共存共栄に向けて進んでくれることを私も望んでいます。
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(コ) |
技術士を目指す方に機械設計技術者試験の有用性をアピールし、実際に「技術士試験合格に機械設計技術者試験が役に立ったよ」と実感してもらう方を増やすという方法も考えられますね。
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(T) |
米国発の世界同時不況を受けて、機械業界は、他業種と比べて極端に低迷しているのが実情(2009年時点)で、業界全体の景気が回復するまでは資格取得に対する関心も自ずと高くなるでしょうね。「不況」→「有利な就職・転職のために資格取得」という流れは、技術者の健全なスキルアップという面から見ると必ずしも好ましいものではないな、というのが私の考えです。しかし、私の周りにでも技術士試験を受けたいと思ったり、実際に受ける方が確実に増えています。こういった流れは、やはり不況が大きく影響しているのだと思います。
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(コ) |
私たちの会員企業から聞こえてくる声も「今回の不況は今までとは違う」というものが多く、会としてもさまざまな困難に直面してきました。しかし、そんなときこそ団体に所属する会員同士で力を合わせることが重要なのだと改めて気付かされているところです・・・ すみません、ちょっと話が逸れましたね(笑)。ご指摘のように、不況が受験者数を押し上げる、という側面はあると思います。TAKEさんがおっしゃるところの「健全なスキルアップ」として試験制度を利用してもらえる景気状況が早く到来することを今は願いたいですね。
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●資格を目指す意義とは・・・ |
(コ) |
それではここで、TAKEさんご自身と資格についてお聞きしてみたいと思います。TAKEさんが日常の業務にあたられる上で、技術士や機械設計技術者試験1級の資格が役に立った場面などがあれば教えてください。
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(T) |
技術士は国家資格ではありますが、名称独占資格であって業務独占資格ではありません。つまり、この資格がなければ特定の業務ができない、といった趣旨の資格ではないということです。
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(コ) |
たとえば建築設計は、安全性の面からも建築士資格を持っていなければその業務をすること自体ができませんよね。資格を持たない素人が設計した建物なんて、考えただけでも恐ろしいです(笑)。
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(T) |
その通りです。建築士や弁護士、弁理士などは業務独占資格。つまりその資格を持っているから、その業務ができるという資格ですね。技術士がそうであるように、民間資格である機械設計技術者試験1級も、技術レベルを認定するという性格の試験です。そういう意味では技術士も機械設計技術者試験1級も、資格を取得したというだけで、即役に立つという具体的な場面はあまりないかもしれません。でも、技術士や機械設計技術者1級を取得したことで、私自身の考え方や機械工学に対する思いは確実に大きく変りました。業務上では、物事を多面的に捉えたり、見ることができるようになりました。結果として技術的にも応用力が備わってきたと実感する場面が多々あります。自部署や他部署からの個別相談も以前と比べて多くなったことも、それらの証明なのではないかと考えています。
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(コ) |
資格取得や日々の業務の成果を見て、客観的にTAKEさんの実力が高まっている。だから仲間たちからも頼られるということでしょうね。機械設計技術者試験1級の資格に焦点を絞ってみると業務との関連でどのような変化を感じておられますか。
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(T) |
技術的応用力の基礎となる機械設計計算能力を必要とする場面では業務上大いに役に立っています。私の場合、塑性加工関連業務ですが、金型の簡易強度計算などの材料力学から熱・流体計算あるいは振動計算など機械設計技術者1級レベルの幅広い設計計算能力を要求されるケースがとても多いんです。
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(コ) |
自分たちが運営・実施している試験が実務で役立っていると聞くのはとても嬉しいし、やり甲斐も出てきます(笑)。ではTAKEさんの周りにいらっしゃる同僚の方は、機械設計技術者試験についてどんな印象を持っていますでしょうか。
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(T) |
うーん、残念ながら社内的には機械設計技術者試験をまだ知らないという人は多いですね。しかしお話にも出ていたように、技術士(機械)資格を持つ私の友人のほとんどは機械設計技術者試験の存在を知っていますし1級のレベルの高さや価値を評価しています。現状では「機械系プロフェッショナルエンジニアを目指す一部の技術者の方は知っているけれど」、そんな認知度に留まっているかもしれません。
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(コ) |
なるほど、試験制度を知っている方には高評価をいただいているが、まだまだ認知度の点で課題があるということですね。メディアを使ったPRなど方法論としてはいろいろ思い浮かびますが費用的な面で課題が大きいようです(笑)。ホームページをご覧になる方も徐々に増えつつあるので、今回の企画のようにすぐ実行に移せるPR方法をまずは地道に進めてゆきたいと思います。
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(T) |
機械設計技術者3級であれば、学校で告知するだけでそれなりに認知度が高まります。しかし企業、社会人に対しては即効性のある手段は多くはありません。私たち資格取得者も啓蒙活動を進めたいと考えてはいるのですが、一朝一夕にできることではありません。いろいろな知恵を出し合って少しずつでも良い方向に進めたいものですね。 |
●機械設計技術者3級試験・・・ |
(コ) |
TAKEさんのようなお立場にいる方からそうおっしゃっていただけるのは有難い限りです。さて、では次に機械設計技術者試験3級の話題に移りましょう。機械系の学生さんを中心に毎年受験者が増え続け、平成20年度は2千名に迫る勢いでした。景気悪化の影響で今後の推移は不透明ですが、大学、高専、専門学校などでの認知度はかなり進んでいるかと思いますし、ホームページをご覧になる方の多くが気になっている区分だと思います。3級試験についてTAKEさんはどのようにご覧になっていますか。
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(T) |
機械系を学んでいる学生さんには機械工学の総括という意味においても適切ですし、これから技術士第一次試験(技術士補)に挑戦しようという方にとっても、良い腕試しになる内容だと思います。大学4年生で大学院進学を目指す方にとっては、大学院入試の試験勉強としても3級や2級の内容は役立つでしょう。 |
(コ) |
社会人そして先輩技術者としてのお立場で、TAKEさんは機械設計技術者3級に合格している新入社員が入ってきたとき、どのように評価されるでしょうか。
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(T) |
「この人は機械工学の基礎学力を持ち合わせている」と評価すると思います。それに、自己研鑽やスキルアップに対して前向きな姿勢を持っている、という点でも評価できるのではないでしょうか。
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(コ) |
ではTAKEさんが学生のときにこの3級試験があったら受験に挑戦したと思いますか(笑)?
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(T) |
おそらく受験したでしょうね。就職にも有利になると思いますし、学生時代の総括の目標となる良い試験制度だと思います。他の工学系分野でも資格試験がありますが、ちょうど高専や大学で学習するレベルに合致しているという点においては、機械分野を選択した方の特権、と言っては言い過ぎになるでしょうか(笑)。
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(コ) |
ホームページでも紹介しているんですが、高専、大学生を想定した内容でありながら福岡工業高校に在学中の高校生が3級に合格されています(平成19年度、20年度と連続(平成20年度試験終了時点))。どのように評価されますか。
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(T) |
3級の問題を見ると大学で学ぶ内容も多いですよね。この試験に高校生で合格するのであれば、非常に高いレベルの知識を持っていると評価していいのではないでしょうか。繰り返しになりますが、学生時代から資格取得に取り組んでいる姿勢というものは、企業側にとって印象が悪いはずはありませんからね。
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(コ) |
3級試験に挑戦する学生さんが増えることで、日本の技術者・技術力の底上げを図り、世界と競争できるモノづくりを目指す。これが試験制度の目標です。道は険しいと思いますが、皆さんと一緒に頑張ってゆきたいと思います。
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●機械設計技術者試験制度について。今後に望むこと・・・ |
(コ) |
では話題を変えて、機械設計技術者試験全般についてTAKEさんのご意見をお聞かせください。
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(T) |
まず目立つところとしては、平成18年度試験から変った受験資格について。
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(コ) |
やはりそこに来ますか(苦笑)。平成18年度試験から受験資格が大幅に変わりました。それまで最終学歴によって細分化されていた必要な実務経験年数を、括りを大きくして単純化しました。また、1級受験には2級合格を必須としたのが大きな変更点です。
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(T) |
それまでは実務経験年数を満たしていれば、1級の直接受験が可能でしたよね。私もそのパターンで受験したので2級は受験してません。
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(コ) |
試験制度も社会のニーズに合わせて変化が求められます。過去の試験実施内容を見直し、制度改正検討委員会の論議を経て改正を実施させていただきました。1級試験に関しては、求めるレベルをより専門分野に特化していこうという方向づけがなされています。1級の従来試験科目は2級試験と同じ科目+設計管理+選択(産業機械、荷役運搬機械、化学環境機械)科目と小論文でしたが、平成18年度の改正により、2級と同じ科目の大部分が「機械総合基礎」というかたちで統合されました。基礎的な知識は2級試験合格で保証してもらい、1級ではより専門的な部分の評価をというスタンスです。
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(T) |
制度改正後、1級試験受験者数は減少しているようです。この試験制度を初めて知ったベテラン技術者の方はおそらく1級受験を検討すると思います、もちろん旧受験資格で1級受験資格を満たしている方が前提という話ですが・・・ そのときに「2級に合格し、さらに合格してから実務経験が4年必要」と聞けば、一気にモチベーションが下がってしまうのではないかと懸念しています。せっかく興味を持ったのに、これは非常に残念です。
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(コ) |
おっしゃるとおりです。1級受験者数の減少は、直接受験ができなくなったことが影響していることは否めません。
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(T) |
1,2級受験に関しては実務経験による制限はあったほうが良いとは思います。しかし、1級受験のための「2級取得必須」化は、資格制度の発展を阻害しかねない危険性をはらんでいるのではないかと危惧しています。
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(コ) |
今すぐに再改定、ということは難しいと思いますが、必要に応じてまた制度改正の議論が出てくるでしょう。この点については数字として表れている部分でもあり当然議題にあがるかと思います。ちなみに、TAKEさんご自身は1級受験資格についてどのような条件がベターだとお考えですか。
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(T) |
試験制度の認知度を上げる意味でも門戸はできるだけ広くしておくべきです。そこから考えれば2級受験資格と同じ条件、というのも良いかと思います。
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(コ) |
なるほど、そこに「2級必須の条件」が加わったとしても翌年には1級を受験できることになりますね。社会人の受験生、特にベテラン技術者の方からは「受験勉強で計算式などを思い出すのが大変だ」といったご意見をよく聞きます。せっかく思い出した計算式などは、記憶がフレッシュなうちに上位試験に挑戦したいと思うのは当たり前ですね。
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(T) |
門戸を広げるという意味では2級試験を学生でも受けられるようにする、といった案も考えられると思います。意識の高い学生さんにとっては、将来優れた技術者になるためのモチベーションアップにも繋がるはずです。
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(コ) |
今ある試験制度の運用形態をちょっと変えるだけで、将来の技術者の底上げだけでなく、優秀な人材の育成手段としても使えるわけですね。では、最後にひとことお願いします。
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(T) |
繰り返しになりますが、わが国で機械設計のプロを標榜される技術者の方にとっては、工業会の機械設計技術者1級と技術士(機械)は車の両輪のような存在なのだと私は考えます。学生さんはもちろん、既に現場で活躍されている技術者の皆様には、機械設計技術者試験だけではなく技術士資格にも目を向けていただき、両方の資格を活かすことで機械業界、そして日本の産業界をともに盛り立ててゆければと思っています。
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(コ) |
今回は機械設計技術者試験を受験しようと考えている方のみならず、技術士、技術士補資格を目指そうとしている方にもその有効性を考えるきっかけになればと考えた企画ですが、同時にTAKEさんのお話を伺って、技術士資格についてあまり関心がなかった方に対しても、技術士資格の存在やその意義について知っていただくことができたのではないかと思います。お忙しいなか時間を割いていただき、また貴重なお話をお聞かせいただき心より感謝いたします。どうもありがとうございました。次回は未定ですが、またお話を聞かせてください(笑)。
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(T) |
そのときには喜んで協力させていただきます。もありがとうございました。
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